YTAメモ

20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その16

1996年11月11日

  

「はじめに」

あなたは先月の衆議院議員選挙の投票に行かれましたか。知人の税理士は「投票したい人がいないから、行って白票で出すつもりだ」といっていました。選挙運動期間中「〇〇さんをよろしく」という依頼がいくつかありました。どうして〇〇さんなのか私はききませんでしたが、△△さんに頼まれたからというような返事が返ってきたのではないでしょうか。中選挙区制から小選挙区制になり、これまでおなじみだった「炊き出し」が禁止になるなど制度の改革は行われましたが、「投票の決め手は△△さんから頼まれたから、候補者がどんな人物でこれまでどんなことをしてきたのか、これからどんなことをしようとしているのが知らない」というようなコネで決まるような選挙はしてほしくない、という気がします。とはいうものの投票したい人がいない、というのが現実なのかも知れません。
 話は変わりますが、先日原稿依頼があり、税金について書かせていただきました(中部経済新聞H8.10.28)。残念ながらその時は紙面の都合で十分な説明ができなかったので、もうちょっと膨らませて掲載します。

税金について

(1).税金はとられるもの?
 消費税が導入されて8年になります。「物」を買ったり、「サービス」の提供を受けたりといった「消費」という行為に課税することにより「税金は稼いでとられ(所得課税)、使ってとられ(消費課税)、使わずに残してもとられる(相続、保有・留保課税)」ようになりました。
 ところで私たちは「税金」について語るとき何気なく「取られた」とか「取り戻した」という表現をしていますが、「搾取」されているわけではありません。日本国憲法第30条には「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」とあります。つまり法律に基づいて納税義務の履行を求められたのであり、「負担する」ものということになります。
 では、なぜ国民は税金を負担する義務があるのでしょうか。日本の主権者は国民ですから、税金は国民のために使われます。つまり「税金とは国民に還元するために負担を求めるもの」ということになります。
 それにしても、これぐらい白々しい建て前はあまりないのではないでしょうか。

(2).将来の税金
 現在税収が不足していて国債という借金をしています。その残高は平成7年度末で約213兆円。税収の4年分にあたり平成8年度末には241兆円になるものと見込まれています。その返済には将来の税金がつかわれることになりますから、例えば10年国債を発行するということは10年後の税金の使いみちを10年後の税金負担者にかわって決めていることになります。10年後の税金まであてにして現在の国民に還元しなければならない使いみちとはどういうものなのか。そんなに必要な使いみちなら何故現在の国民に税金の負担を求めないのか、そういう議論がこれから必要とされているように思います。

(3).生活者から見た税金の負担
 名古屋国税局「平成8年度版税金ってなに?」にでてくる年収7,000,000円、社会保険540,000円で妻と子供2人を扶養しているサラリーマン氏は所得税を203,500円負担しています。住民税は一年遅れで175,000円の負担になります。さらに可処分所得(約600万円)のうち生活費などに消費される部分には消費税がかかっています。仮に月平均30万円、年間360万円を生活費として使ったとしますと(残りは住宅ローンなどの返済や預貯金等に回ります)年間10万円ぐらいは消費税を負担していることになります。生活費のなかには家賃や医療費、生命保険、損害保険、授業料など消費税が課税されない非課税取引の支払もあります。しかし、例えば診察料などの医療費に消費税はかかりませんが医療サービスの提供にともない使用される薬や機器には消費税がかかります。医療機関は消費税を負担していても患者から消費税をもらえません。
 ではどうするのか。診療報酬の改訂時に支払った消費税の価格への上乗せがもりこまれます。つまり「税金の価格(売上)への転嫁」がおこなわれます。消費税として直接もらうか、価格を上げてその中で負担した消費税を吸収するかの違いはあるにせよ受益者にその負担を転嫁することになります。
 さらに、酒税、タバコ税、ガソリン税などの間接税、固定資産税などの地方税の負担があります。

(4).税金の価格への転嫁
 実は法人税も間接的に消費者が負担しています。物の流れでみてみましょう。製造業者が材料を仕入れて製品をつくり10,000円で卸業者に販売します。卸業者は仕入れた商品(製品)を小売業者に14,000円で卸売し、小売業者は商品を20,000円で消費者に小売します。
 事業というのは物やサービスを提供し、その対価(売上)を得るものです。そこから仕入や給料その他の経費を支払い、残った利益(所得)に対して法人税(個人事業者の場合は所得税)が課税されます。消費者の購入対価20,000円のうち6,000円のなかに小売業者の所得があり法人税が含まれています。4,000円のなかには卸売業者の、10,000円の中には製造業者の所得があり法人税が含まれています。各業者が支払う給料の中にはその人の負担する源泉所得税が含まれており、そのほかの経費(例えば運賃)の中にも税金(運送業者の法人税)が含まれています。そしてその積み重ねが20,000円の対価を構成しています。20,000円の中に占める税金がどれぐらいになるのか試算されたことはありませんが、国民がどれぐらいの負担をしているのか税を知る週間(11月11日~17日)を前に考えてほしいものです。

補足説明 日本はこれまで貿易黒字の国でした。ということは、輸出企業の法人税の負担者は最終消費者である外国人ということになります。また、「ゆるやかな回復基調(どこが?)にある」日本経済ですが6割を超える法人が赤字といわれています。赤字会社は税金を払っていません。企業努力が足りないのだ、といってしまえばそれまでですが、努力をしたところ(?)に売上がかたよっただけのことで業界全体としての売上(需要)がかわるわけではありません(麻雀の一人勝ち状態、点棒が増えたわけではない)。負け犬の遠吠えですが、一人勝ちしたところに売上をもっていかれなければ黒字で税金を納めたかもしれません。
 国際競争力が弱くなって外貨の獲得がこれまでのようにできない。その分を国内で稼ごうとしても需要には限りがあるから、競争はきびしくなり赤字会社が増えることになります。また、外国人に税金の負担をしてもらう仕組みが機能しなくなった以上、国民にこれまで以上の負担を求めることにならざるをえません。使われ方については次回、改めて書いてみたいと思います。

「技」タバコについて考える

a.11月6日の中日新聞に「喫煙者の死亡率2倍」という記事が掲載された。これは、郵政省が簡易保険の契約申込時に実施している喫煙調査の中間報告で、契約から1年以内の死亡率が非喫煙者の場合0.024%であるのに対して喫煙者の場合は0.047%であったという。

b.調査は1995年10月から2年間の予定で実施中。調査終了後5年程度かけて喫煙と死亡率などの因果関係を分析、結果をもとに非喫煙者の簡易保険料の引き下げを検討する方針であるという。

c.また、8月10日の中日新聞(夕刊)によれば、アメリカ・フロリダ州地裁の陪審でタバコと肺がんの因果関係を認めてタバコ会社に損害賠償を命じる評決を言い渡したという。同社は控訴の意向で、これまで確定した判決例はないという。

d.アメリカでは「タバコの健康被害のために公的医療費の負担が膨らんだ」として、ミシシッピなど複数の州が訴訟を提起。一部はタバコ会社が折れる形で和解しているという。

e.日本たばこ産業の96年3月期の売上は2兆6,608億円(うちたばこ事業が98%)。平成8年度歳入予算のうち、たばこ税は1兆400億円を見込んでいる。たばこ葉の生産から小売りまでタバコの事業規模は極めて大きいといえる。

f.ネットワ-ク「地球村」代表の高木善之氏のセミナ-によれば、タバコが原因で引き起こされた火災による損失や喫煙コ-ナ-、排気(空調)設備等の設置、労働時間のロス、健康障害による医療費の増加等の支出増加による社会損失のほうがタバコ税やタバコ事業によってもたらされる社会的貢献よりもずっと大きいという(タバコによってもたらされる貢献の2倍の社会的損失があるらしい)

g.日本では国の事業として行われていた、という歴史的経緯も含め広告規制がまだ少ないが欧米では広告そのものが規制されている。全日空が全席禁煙席になったり、地下街は終日禁煙になるなど空気の滞りやすいところでは規制されているが欧米からみるとまだゆるやかである。日本の厚生省は死者が出て社会問題になるまで規制しないという無責任体質があるため、運が悪いと規制前に自分の生命が危険に晒される危険性があることだけは覚えておいた方がよい。

h.タバコは健康に良くない、というのは常識としてわかっていてもやめられない人が多い。「気」のセミナ-で講師からO・リングテストをして「タバコをやめないと1年ぐらいの間にまちがいなく肺ガンになるよ」と診断された人がタバコをやめられない態度を示したり「タバコをやめるなら死んだほうがいい」とまでいいきる人を見ていると喫煙者にとってタバコは非常に魅力的なものであるらしい。

i.脚本家でヘビ-スモ-カ-の倉本聡(?)は現在北海道の僻地に住んでいるが、彼が健康診断をしたときに非喫煙者と同じぐらいきれいな肺だったというエピソ-ドがある。空気のきれいなところではいくらタバコをすっても健康を害するまでにはいたらない、ということだと思うが車の排気ガス、工場排煙など空気が世界的規模で汚れていては相乗効果で健康を害することになる。健康のためタバコの吸いすぎに注意することも大切であるが、それよりも空気をできるだけ汚さないよう心がけたい

 

「体」月刊誌「エヴァ」より

a.10月2日にサンマ-ク出版より月刊「evah(エヴァ)」が創刊された。サンマ-ク出版は1995.8.8のYTAメモ「その5」で紹介した春山茂雄著「脳内革命」の出版元で、同書は「窓際のトットちゃん」を抜いて戦後最大のベストセラ-となり、今でもよく売れるため書店に平積みされている。

b.創刊号は完売広告が出るほど好評で、P24-25に「まだ読んでいない人のための5分でわかる脳内革命」が掲載されている(別紙参照)。

c.創刊2号に「あなたの健康を守る『手軽な食事』学-いま食べるなら、これ!」という特集がありオススメ。

d.創刊2号に「あなたの健康を守る『手軽な食事』学-いま食べるなら、これ!」という特集がありオススメ。原敏夫農学博士「納豆が超高齢化社会を救う」によれば、納豆に含まれるナットウキナ-ゼには血栓防止効果がある。血栓(血のつまり)を防ぐことで心筋梗塞や脳梗塞を予防でき、その結果起きるボケも防げるという。納豆100gには、心筋梗塞の発作が起きたときに投与するウロキナ-ゼという血栓溶解剤1回分(価格にして20~30万円相当)に匹敵する効果があるという。なお、食べ方にこだわるのなら朝よりも夜がよい。これは早朝、血液中の血栓溶解活性が低下するためで、夕食に食べた方がナットウキナ-ゼの効果が期待できるからだ、という(P32)。

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