YTAメモ

20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その12

1996年5月28日

  

」スリップ・スロップ・スラップ&ラップ

a.もうすぐ夏至(6月21日)。日差しが強い季節になってきた。

b.日焼けして小麦色の肌の人を見ると「健康」というイメージを持つが、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど多くの国では天気予報で紫外線警報を出しており、例えば「バーンタイム10ミニッツ」であれば「直射日光を浴びるのは10分以内に」という具体的な警報である。

c.太陽光線には「ガンマ線」「X線」「紫外線」「可視光線」「赤外線」などがあり、このうち紫外線の一部とガンマ線、X線はオゾン層(地表から20ー25キロメートルの成層圏にある)にさえぎられて地表には届いていなかった。ところがフロンガスによってオゾン層が破壊され、紫外線Bと呼ばれる波長の光線が地上に届くようになった。ビタミンDを体内で合成する紫外線は「紫外線A」と呼ばれ健康維持に欠かせないが、紫外線Bはそれより波長の短い光線でDNA(遺伝子)を破壊し、皮膚ガンや白内障、免疫低下を引き起こす。また、農作物の発芽細胞を傷つけ、成長を阻害し収穫を低下させるという。

d.テキサス大学ガンセンターのマーガレット・クリスピー博士の実験によれば、マウスに週3回、毎回各1時間ずつ赤い日焼けを起こす程度の紫外線を当て続けると、20週目からガンが発生し始め、32週目で約半数が、45週目で全てのマウスに皮膚ガンが発生した。また、同じ条件で12週間背中に紫外線を照射したマウスの腹部にガン細胞を注射したところ腹部がガンになった。紫外線を当てていないマウスはガンになっておらず、背中に紫外線を浴びることによって免疫機能が低下し、腹部のガン細胞の感染を防ぐことができず発病に至ったと考えられている。

e.表題の言葉はオーストラリアのガン防止協会のスローガンで、家庭では「ノーハット、ノープレイ(帽子をかぶっていない子は遊んじゃだめ)」というしつけをしている。

   (1).スリップ=長袖を着なさい(子供達はウエットスーツ風の水着を着用、夏制服を七分袖に変更)

   (2).スロップ=ローションを塗りなさい(子供達は授業が終わる前に紫外線防止ローションを塗る)

   (3).スラップ=帽子をかぶりなさい(子供達は首筋を守るため後ろに大きな布のついた帽子を着用)

   (4).ラップ=サングラスをかけなさい

f.オゾン層の破壊はオゾンホールが発見された南極などの局地的な現象ではなく、日本上空のオゾン層も8~13%(平均10%)減少し、毎年事態は悪化している。むしろ、フロンを大量に放出している北半球のほうが危険である。

g.先進各国ではフロンの回収が義務付けられており、高額の罰金やフロン税などで規制しているが、世界のフロンの15%を消費する日本には自主規制のみで法規制が一切ない。日本ではあちこちにあるジュースの自販機も欧米ではほとんど見かけない(フロンを使っているから)。また、自動販売機が道路にはみ出しているからと、薄型のものに切り替えるよう指導しているが、古い自販機を処分する時のフロン回収は義務付けられていない。紫外線Bの人体への影響についての知識が普及しておらず、危険に対する意識はほとんど無防備である。日本国は国民の生命を粗末にあつかうことをなんとも思わない、犠牲者が出ても責任を取ろうとしないという悪しき伝統があり(注)、皮膚ガンや白内障の被害がでてきても因果関係がはっきりしない、と責任回避にはしる可能性が高い。国民は自分の命は自分で守る、と考えて行動しなければならない。炎天下、帽子もかぶらずゴルフほど危険なものはない?

   注:日露戦争の203高地では無意味な突撃を繰り返して多くの兵隊を犬死させ、第二次世界大戦では神風突攻隊という国民を使い捨てにする戦法をとり、昭和天皇が決断するまで戦争を終結できなかった。日本が連合国側からポツダム宣言を突きつけられたのは昭和20年7月26日。その時点で受諾していればソ連軍の参戦もなく「北方領土」問題は起きなかったし、「広島」「長崎」への原爆投下もなかった。第二次世界大戦で300万人の人が亡くなっているが、このうちの40万人はポツダム宣言の受諾が遅れたために出た犠牲者であるという。最近の政府の対応を見ていても、水俣病認定申請者に一時金による和解に持ち込んで責任を曖昧なものにしたり、エイズに感染する可能性のある非加熱製剤の使用をそのまま放置して殺人罪で告訴されたり、ノー天気な措置で被害者を拡大した阪神大震災など、国民の生命を守ることよりも責任の回避、言いわけに最善を尽くしているとしか思えない。経営コンサルタントの三上元氏によれば、日本に戦争を仕掛けるとすれば東京の東と西にある東海村と浜岡の原子力発電所にミサイルをブチ込めばチェルノブイリの事故と同じことになり、東と西から放射能の風が吹いて東京に大きな被害をもたらすことになる。核保有国でなくても相手国が原子力発電をしていれば核をもっているのと同等の洞渇ができることになる。先進諸国では原子力発電をやめる動きがでてきているが日本ではやめる、という動きはない

h.NORO KOGYOが開発したUV1200シリーズはガラスにコーティングすることによって紫外線を99.8%、近赤外線を70%以上カットできることから、JR東日本の山形新幹線に採用された。紫外線Bから身を守るための科学も大切であるが、それ以上に多くの人がオゾン層を守る意識、経済活動をすることのほうが大事である。ぜひ、今の地球環境に関心をもっていただきたい

     船井幸雄・高木善之編著「地球村」に生きる!(ビジネス社:月刊フナイ1995.5.8)他より

」藤平光一「氣と健康」セミナーの紹介と合気道

a.大学時代(24年前)合気道の町道場に通っていた。大学に入ったらなにか武道をやってみようと考えていたが、柔道や空手は身体の大きい方がどう考えても有利に思えた。消去法で合気道になったのだが、女性が護身術として習うものというイメージをもっていた(裏返せば、身体の小さい自分でもやっていけそうな武道だと考えた)。

b.合気道は、明治生まれの植芝盛平(昭和44年4月、84歳で逝去)を創始者とする武道で、その源は日本の柔術であり、柔道とは兄弟関係にある武道である。

c.合気道にはこちらから攻撃をしかけるという発想がなく、相手が殴りかかってきたとか、突きをいれてきた、手をつかみにきたというように相手からの攻撃を前提に技が組み立てられている。従って技をかけて相手を倒した方が勝ち、という試合がない。乱取りという稽古方法がなく、技をかける側と技をかけられる側(先に攻撃を仕掛ける役)に分かれてかわりばんこに練習を行う。

d.役割が先に決めてあるため試合のような勝負はないが、強いていえば技が決まるかどうかという勝負がある。すなわち、技をかけられる側は技がかけられないよう抵抗したり、返し技で逆に相手に技を仕掛けたりする。技がかからなければ技をかける勝負に負けたことになるから、いっしょうけんめい技を磨くことになる。

e.昇段(昇級)試験は、技がきちんとできているかどうかを審査するもので勝ち負けはないが、二人がけという連続自由技がある。これは二人の相手が交互に攻めてくるのを自由技でさばいていくもので、実技応用編である。いくら練習をしても、不意の攻撃にきちんと対応できなければ何にもならない。とっさの場合、自分の得意技を中心に二人の攻撃をさばくことになるが、せいぜい二つか三つの技しか使えていないことを実感する試験である。

f.稽古では「まるく、まあるく。」とよく言われた。まるく動け、まわれ、まわせという指示で、合気道では直線的な動きよりも円運動が重要視されている。動きとしては「てこ」の原理と言いかえた方がわかりやすい。

g.たとえば手首を掴まれたとき、ふりほどこうとしても相手の力が強ければはずせない。このときに、掴まれた手首はそのままにして肘、肩の方をまわすことは相手より非力でもできる。手首を支点にして肘や肩を力点とする「てこ」の動きになっているからで、「てこ」は支点から作用点までの距離よりも支点から力点までの距離の方が遠いから少ない力で動かせることになる。ふりほどこうとして肩を支点にして動かすから力負けしてしまう。「てこ」の視点で円運動をすれば相手より非力でも勝てる。

h.大学を卒業してからは道場へは通わなくなってしまったが、「気功」がブームになった頃に「氣」の威力という本(1990.4.20初版:講談社1200円、但文庫版がでている)を読んだ。著者は植芝盛平より最高位の10段をもらった藤平光一という人で、財団法人「氣の研究会」の会長である。

i.この本のなかで「氣が出ている」と口にだして言うだけで「折れない腕」になったり、「重みは下」と想うだけで二人掛かりで持ち上げようとしても持ち上がらなくなる、ということが書かれている。

j.「氣の研究会」の合気道のことを知りたくて平成6年4月7日、関西地区本部に問い合わせをしたところ4月2日に中部地区本部が名古屋にできたからそちらへ問い合わせてほしいということであった。訪ねていくと、入門者は一人もいない状態で私が入門第一号となった。

k.「氣の研究会」は心身統一道・氣の原理普及を目的にしており、そのための手段として合氣道道場と氣圧療法学院がある。氣圧療法は俗な言いかたをすれば「手当て」で、患部に「氣」をあてて患者の「氣」の流れを良くすることによって治していく方法を教えるものである。

l.氣圧療法で興味深いのは“張り返し”という現象の説明である。肩こりは冬のゴムホースのようなものでそれを柔らかくしようとして揉んでしまうと組織が壊れて使いものにならなくなってしまう。壊された組織を回復するために余計なエネルギ-が使われ、組織は前よりも固くなる。これを「あんま殺しの肩」といい、マッサ-ジをしてもらっても効かなくなってくる。ゴムホ-スをそうっと暖めてやれば組織が壊されることなく再び伸び縮みするようになる。指先をそうっとあてて氣を送りこめば滞っていた氣の流れがうながされて筋肉やすじが柔らかくなり“張り返し”もおこらない。

m.財団法人氣の研究会 宗主 藤平光一の特別講演会「氣と健康」~心とからだが蘇る氣の力~が開催される。氣について体験できる良いきっかけになると思われますので、興味のある方は私と一緒に参加してみませんか。

    日 時:平成8年6月20日(木)18時30分より

    会 場:名古屋市民会館大ホール(名古屋市中区金山)

      会 費:1500円
        (チケットぴあにて発売、参加したい方は細井までご相
         談下さい)

」オリンピックで思うこと

a.船井幸雄の人生道場(ダイヤモンド社:1994.11.17初版)によれば、30代までは「競争は善」競争が社会を発展させると考えていたという。40代になって「包み込み、素直、プラス発想」と変わり、最近の著書では「エゴからエヴァヘ、競争から共生へ」と変わってきた。

b.競争の世界イベントであるオリンピックが開催される年は平年に比べて天変地異が多く起こっているという統計があるという。勝ち負けの意識エネルギ-が天変地異をひきおこしているという見方もある。

c.かつて金メダル獲得の御三家は米国、ソ連、東ドイツ。国策として金メダル獲得を掲げていた二つの国はなくなってしまった。アメリカ合衆国もそのうちなくなって各州が国になるという見方をする人もいる

d.参加することに意義があるといわれたオリンピックも競技によっては予選落ちで参加できない。プラス発想は大切なことであるが、勝負にこだわることはプラスにはならないと思うがいかがであろう。

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