YTAメモ

20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その11

1996年4月10日

  

」最低資本金を達成できない会社との取引にご注意

a.平成2年の商法改正によって最低資本金制度が導入され、株式会社の資本金は1,000万円以上、有限会社は300万円以上と定められ最低資本金に満たない会社には5年間の猶予期間が設けられ、最低資本金を満たすための配当を非課税としたり、登記のための登録税を軽減したりといった優遇措置がとられた。

b.猶予期間は平成8年3月31日を持って終了し、最低資本金を満たしていない会社は平成8年5月31日までに増資、または組織変更をしない限り平成8年6月1日に解散したものとみなされ、登記官の職権で解散登記が行われる。

 c.解散登記された会社は清算法人となり、権利能力は清算の目的の範囲内に限られることになる。具体的には事業を結了(営業活動を終了)し、債権を取り立て、債務を弁済し、残余財産を分配する行為しかできなくなり、その会社が商品の発注などの営業活動をしても目的外の行為となって効果が帰属しない(購入代金の支払義務が発生しない)ということになる。もし、注文に応じて商品を納品していれば不当利得の返還請求に基づいて返してもらうことになる。

d.会社の事業活動機関である取締役、代表取締役は辞任し、清算人、代表清算人が清算事務の執行を行うことになるが、法務局はみなし解散はできるが清算人の選任はできないため、6月1日に清算人不明の会社がたくさんできるかもしれない。

e.清算人が選任され清算手続きに従って、清算人が債権者に「○○までに債権の申し出をして下さい」と催告をした場合「○○まで」は債権申し出期間となり、清算会社の取引銀行は手形・小切手の決済や預金口座からの自動振替を停止することになっており(清算手続きによる弁済禁止を事由とする0号不渡りになる)6月1日以降の債権回収は大幅に遅れる事態が予想される。最低資本金を現在充たしていない会社との取引は解散前にできるだけ資金回収をする措置をしたほうがよい。(企業実務1996/4より)

」究極の相続税対策はまず長生きすること。次に相続財産に優先順位をつけること。相続が発生してしまったら見切りをつける覚悟を持つことをお勧めしたい。

a.平成7年10月17日、大阪地裁で相続価値を越える課税は不合理である、とする判決があった。

b.この事件の経緯は、平成2年3月から9月にかけて原告の父親であるT.K氏が11億円の借入をして22億円の土地を購入し賃貸アパートの経営を始めた。それまで貸し地の地代が固定資産税よりも安い状況にあり、事業展開を始めた直後の平成3年8月7日(風邪をこじらせて5日後)に突然亡くなった。

 c.購入物件の路線価(平成2年度)は5億円で「借金をして不動産を取得すれば相続税が安くなる」という節税効果が期待できる状況にあった。ただし、今回の裁判で争点となった租税特別措置法69の4により、相続開始3年以内に取得した不動産は購入価格で評価することになっており、3年経過すればという条件付きであった。さらに節税封じとして路線価が公示価格の8割へと大幅アップとなって相続対策のために不動産を取得する意味がなくなったが、これは平成4年度からのことで本件には関係がない。

d.原告は平成4年2月租税特別措置法に沿って評価をし相続税の申告(課税評価額:24億1000万円相続税:14億3000万円)をした。ところが知り合いの不動産業者に相談したところ「冗談じゃない。今ある土地を全部処分しても10億円がいいところです」と言われてはじめて事の重大さに気づいた。そこで知り合いの顧問税理士を紹介してもらい、不動産鑑定士の評価に基づいて更正の請求をしたが却下された。さらに不服審判所の裁決も却下であった。

e.この段階で何人かの弁護士に相談したが「法律だからしかたがない。それよりも破産宣告をしたら」といわれ、最後に西垣泰三弁護士が訴訟を引き受けた。なお、破産申請は申請者の免責を目的に破産をするもので、税金は免責の対象とはならない(つまり、税金は払うか肩代わりしてもらうか、そのいずれかしかなく、死ぬまでついてまわる。租税債務は相続されるから、相続放棄でもしない限り免責されない)。

f.原告は60歳にちかい学校の校長先生で、破産宣告をして銀行の借金は免責されたとしても14億円の税金をかかえて人生をやり直す事は無理であった。「相続財産として自宅だけ残してもらえるのであれば後は何もいらない」という気持ちであったが、税務署から「家を出ていってください」と言われ退職金も税金の支払にあててほしい、給料も差し押さえます、手取り15万円で生活してくださいという事態になった。校長としての対面などとても保てる状況ではない。

g.訴訟をするには印紙代として約280万円が必要であったが、現預金、不動産はすべて差し押さえられており、賃貸収入も銀行への返済利子にほとんどが消えていく。一棟貸ししたアパートは借り主の企業がいやがって出ていってしまい、次が入らない。不服審判所の裁決から3カ月以内に訴訟しないと裁決(相続税14億1000万円)が確定してしまうため必死でかき集めて期限の3日前にやっと訴訟できた。

h.大阪地裁は、措置法69条の4自体は憲法違反ではないが、本件のような事案にまで無制限に適用することには憲法違反の疑いがある、として措置法の適用を否定し、課税価格11億2952万2千円、相続税5億5698万9300円という判決を出した。

i.担当した西垣弁護士は、この裁判は勝てると直感した。しかし本件のように相続財産よりも税金の方があきらかに多い状態でなければ裁判官の心証が変わって別の結論が出たかもしれない、という感想をもたれている。たとえ悪法でも憲法を持ち出して措置法の適用を否定する判決はできることなら出したくないのが法律家の性であろう。(マネ-ジメント・デ-タバンク1996/4より)

j.相続税対策というとどうしても税法のしくみからアプローチを考えるが、被相続人が長生きすればするだけ相続税対策ができるわけで、まず「健康」であることであろう。ボケたり、植物人間になってしまえば意志表示ができない状態になるから、例えば孫に贈与をする(法定相続人でなければ3年以内の贈与でも相続財産にとりこまなくてよい)、遺言を残す、あととりの配偶者と養子縁組みをする、といったせっぱつまってからでもできる相続税対策もできなくなる。

k.相続税も税金であり現金納付が原則であるから、相続税を納めるためには相続財産の換金(売却)をしなければならないが、処分できない財産がある。ひとつは自宅や事業用資産などの相続人が生活していくための資産であり、もう一つは貸し地や取引相場のない同族会社の株式等買い手の見つからない財産である。前者は生活のため売らないだけで相続財産としての価値と売却した場合の価格とに大差は生じないが後者は計算上は財産価値があるかもしれないが、買い手が見つからない。貸し地は借り主の権利保護のため売って納税資金にしたくてもできない。昔の貸し地であれば地代も低く設定されており、相続税相当分を回収しようとすれば何10年もかかる。
 l.同族会社のオーナー経営者(創業者)の場合、まずオーナーが持っている土地や借金をして購入した土地で事業を始め、事業規模が大きくなってきて会社組織にし、さらに大きくなれば株式公開(上場)、といったプロセスをたどることになる。上場企業ともなれば、たとえ創業者の直系親族であっても必ず社長になれるとは限らない。大株主であるから一目おかれて役員待遇まではなれるし、周囲の期待もあるからほかの人より努力する環境におかれるがトップはあくまで実力が優先される(トヨタ自動車しかり、松下電器産業しかり)。

m.同族会社の創業者の相続という問題を考える場合、大きな比重を占めているのは会社の株式と会社に貸している不動産であることが多い。創業者は事業がなんとか軌道にのるように、あとを継いでもらえるような企業にしたいとすべてを会社に注ぐから、ほかの財産といっても自宅しかない、というようなことがよくある。株式上場までいけば株式に交換価値ができるから納税に困ることはないが、そこまでいかない会社は大きければ大きいほど相続税の負担に遺族がたえられない、というジレンマに陥る。

n.大阪地裁の事例では「相続放棄」がベストの方法であった。限定承認といって、借金などの相続債務を相続財産から弁済し、あまれば相続をするが足りないときは相続しないという制度もあるが、相続税は債務ではないので残った財産に課税される。売れるものから処分して債務を返済するのだから限定承認後の財産は換金の困難な財産しか残っておらず、納税資金にこまる。

o.創業者の相続税対策をシュミレーションする場合、まず、「相続放棄をしたらどうなるか」という仮定をいれて検討することをお薦めしたい。

p.相続放棄を法定相続人(例えば配偶者と子供)全員がした場合、親が相続することになり、親が相続放棄をすれば、兄弟が相続をする(民法900条)。これも放棄すれば家庭裁判所が管理して清算をするが、最終的に残った財産は国庫に帰属することになる(民法959条)。従って創業者の相続人全員が相続放棄をすれば「国」が同族会社の大株主となり、会社が利用している不動産の貸し主も「国」となる。

q.「国」は相続税として株や不動産を受け入れるわけではないから物納財産のように換金をする必要がない。被相続人の債権者が個人であればその人に会社を乗っ取られることになるが金融機関であれば国と同様安定株主になってもらえるかもしれない。株式を買い取るところがでてくるようなら相続放棄をせずにすむが他社の支配会社となるかもしれない。しかし上場会社であれば常にその危険にさらされている。

r.相続放棄は、相続対策を真剣に考えてもらうための仮の話であり、そのように考えると対策がより真実味を帯びてくる。

s.もし同族会社の株主に後継者以外の有力株主がいるのであれば早急に買い戻す。創業者の持ち株が国になったとき2番目に持ち株の多い個人株主が誰になるのか。後継者一族であればよいが、そうでなければその人が実質的な筆頭株主となる。兄弟が相続放棄をしないこともありうるが、その場合の相続税は配偶者と子供が相続した場合の2割増の相続税を負担する必要があり、よほど資力がなければ乗っ取ることは難しい。

t.相続放棄をするなら自宅は創業者以外の名義にしておこう、というように創業者の財産のうち引継をしたい優先順位をつけることができる。会社に余力があれば、会社に底地を買い取ってもらって(中経出版「会社を強い体質に変える方法教えます」拙稿91頁)他の株式を買い取る資金をつくることもできる。

u.どういうものから優先して財産を動かすかはケ-ス・バイ・ケ-スであるが、単純相続をして税金の納付がきちんとしていけるか、できないとして相続が発生したとき相続放棄をしたらどうなるか、最低どれだけ動かせば放棄をしても悔いが残らないと見切りをつける事ができるか、つきつめて考えるにはよいきっかけになると思う。

」アレルギー体質の改善としてよく噛んで食べるとよい。

a.30年以上前、私が小学校に行っていた頃は毎年検便が実施され寄生虫の検査が行われていた。農薬によって駆除されてしまったから、といえばその通りであるが高木善之著「地球大予測」(総合法令出版:1995.11.24初版)では次のように指摘している。

b.お腹に虫のいない私たちは、自分のことをきれいだと思っているかもしれません。はたしてそうでしょうか?実は虫は自分の住める環境のところに住み、住めない危険な環境のところには住みません。農薬で汚染されてしまった私たちの身体には、もう虫は住めない、危険だから逃げてしまったのです。私たちはきれいになったと思っていますが、こういう状態をきれいだといえるでしょうか?虫のいない私たちは、アトピー、小児ぜんそく、アレルギーなどのさまざまな新しい病気に苦しんでいます。しかし、虫のいる貧しいあの人たちは、アトピー、アレルギー、小児ぜんそくなど私たちが悩んでいる奇病を持っていないのです(p78-79)。

c.矢山利彦著「続気の人間学」p194では子供も大人もアレルギー性疾患が激増している真の原因は、食品添加物にあるのではないか、と指摘している。試算によれば、平均的日本人は一日当たり70ー80種、約11グラムの食品添加物を摂取しており、一年では4キログラムになる。食品添加物は個別の動物実験で安全とされているものの、多種類(ということは組み合わせて)を長期間にわたって摂取したときのデータは許可されて現在人体実験中ということになる。

d.肉、卵、牛乳はひと昔前は栄養化の高い食物とされていたが、これらは食物連鎖の頂上付近にあり、自然界にまき散らされた化学物質、農薬などのもっとも濃縮された食品になっている(講談社ブルーバックスの「公害の人間学」によれば無機物は動物の体内に入っても排泄されてしまうが、有機物は排泄されず体内に残ってしまう。摂取すればするほど蓄積するわけで、水俣病では工場排水の有機水銀がプランクトンをつうじて魚に蓄積し、さらにその魚を食べた人間に蓄積、濃縮され発病に至っている。人体は髪の毛などから少しでも水銀を体外に排出しようとするため、髪の毛で水銀の検出を行うことになる。妊婦が水俣病になると、胎児を通じて水銀を排出するため生まれながらに水俣病に侵されるという悲惨な結果となる)。

e.西岡一著「食物からわかるガンの秘密」(三一書房)によれば図37ー1のように唾液には発ガン物質の無毒化作用がある。毒消し作用は唾液に含まれるペルオキシターゼとよばれる酵素の働きで、効果がでるには約30秒ほどかかる。そこで、食べ物は30回以上よく噛んで食べるよう指導している。佐賀県立病院好生館外科医長の矢山氏は、食生活に問題のある患者に対して「一口を50噛みしていただくは、病を癒す神技となる」と処方箋を書いて渡すようにしている、という。

▲ PAGE TOP

Copyright 有限会社YTA. All Rights Reserved.