20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その14
「心」飯田史彦「生きがいの創造」講演会(平成8年7月28日/愛知県産業貿易館)および著書(PHP研究所:平成8年7月4日初版1,500円)より
「心」飯田史彦「生きがいの創造」講演会(平成8年7月28日/愛知県産業貿易館)および著書(PHP研究所:平成8年7月4日初版1,500円)より
★a.飯田史彦氏は昭和37年、広島県生まれ。現在、国立福島大学経済学部経営学科の助教授で専攻分野は「人事管理論」「経営戦略論」である。
★b.昨年(1995年)9月、飯田氏は大学の学術誌である「商学論集」に“「生きがい」の夜明け~生まれ変わりに関する科学的研究の発展が人生観に与える影響について”と題する論文を発表した。論文の末尾に「ご希望の方には無償でお送りします」と書いたところ、論文希望の手紙やFAXが殺到し、半年で7千部以上を送ったという。一日に170件を超える送付依頼があったり、読者から感想文が多数寄せられ大学のFAX回線がパンク状態になるなど反響も大きい。この論文をベースにして書かれた著書も発売1カ月で78,000部が売れ、東京のある書店では第8位の売れ行きであるという。
★c.飯田氏も最初は伝統的な経営学の枠の中で「価値観の転換による働きがいの向上」という観点から研究を進めていた。これは経営者や上司による一種の「望ましいマインドコントロール」である。ところが、これまでの手法がどれも表面的な技法にすぎないために一時的に社員に対して仕事が好きになったような錯覚を与えていただけのことではないか、という問題意識を持つ経営者や管理職の人がでてきた。
★d.社員や部下の価値観をもっと深いところからゆさぶり、もっと本質的な心の変化を生じさせたい、そんな経営者たちにある特殊な情報を伝えたところ、「それこそが私の求めていたものです。私はまちがっていました。社員に何をしてもらえるかではなく、社員に何をしてあげられるかという、すっかり忘れていた問題意識がよみがえってきました」という反応がかえってきた。
★e.特殊な情報-具体的には「死後の生命」や「生まれ変わり」のしくみについての近年の科学的な研究成果の内容-を聞き手の先入観をなくしながら正しく伝えるだけで人々は職場での働きがいの意味をはるかに超えた、人生全体の「生きがい」や「幸せ」の意味について根本的に問い直しはじめたという。
★f.ここで強調しておきたいのは飯田氏は経営学者であり「死後の生命」や「生まれ変わり」が真実かどうかの議論しているのではない。彼は「死後の生命」や「生まれ変わり」が最近の科学的な研究により解明されつつあるという事実を認め、もしそうであるならば私たちはどう生きていけばよいのか、を問いかけている。つまり、「死後の生命」「生まれ変わり」の解明作業のなかで得られた情報を自分の生き方にどう生かしていくか、という議論を展開しているのである。
★g.飯田氏は議論の展開にあたり、いわゆる霊能者や宗教家、ジャーナリスト、文化人、芸能人などの書いたものは文献としては一切取り上げない、引用文献は大学の教官、博士号を持つ研究者や臨床医の研究などに限定するということで学術的かつ客観的な立場を貫いている。また、彼は正月には神社に詣で、盆には寺に参り、クリスマスにはツリーを飾る、という典型的な「雑宗教」の日本人の一人である。
★h.「死後の生命」の研究とは物理的な肉体を失ったあとにも、意識(いわゆる魂)として存在し続けることを研究するものであり、「生まれ変わり」とは物理的な肉体を失ったあとにも意識(魂)として存在し再び肉体を持って生まれ変わってくることを研究するものである。
★i.これらの研究は臨床医の「退行催眠」という精神医学の治療法が発達することによってもたらされるようになってきた。
★j.高所恐怖症、「水」や「暗闇」に対して異常に恐怖感を抱くといった原因不明の恐怖症、対人恐怖の症状をもつ患者に対して臨床医が催眠術をかけ「異常な恐怖感」をもつに至った昔のできごと(本人は忘れてしまっている)を思い出すとそれまでの恐怖感や不安な気持ちが軽くなったり治ってしまうことがわかり治療法として使われるようになってきた。この方法を退行催眠というが、その人の人生を過去へいくらさかのぼっても原因となる出来事がでてこないことがあった。そこで「あなたの症状の原因となった時まで戻りなさい」と漠然とした指示をしたところ、今の人生より前の人生に記憶を戻してしまった。つまり生まれ変わりを前提としなければ話せない過去の人生の記憶が患者の口から語られたのである。臨床医は最初精神の錯乱ではないかと考えたが患者の過去の記憶を裏付ける事実が検証されることにより「生まれ変わり」を認めざるを得なくなっていく。マイアミ大学医学部精神科教授のブライアン・L・ワイス博士は被験者であるキャサリンが肉体を持って86回生まれてきたという報告をしている。
好評で、P24-25に「まだ読んでいない人のための5分でわかる脳内革命」が掲載されている(別紙参照)。
★k.ある退行催眠被験者は「なぜ、もう一度生まれるの」という質問に「やり残したことがあるから」と答えている。
『手軽な食事』学-いま食べるなら、これ!」という特集がありオススメ。
★l.トロント大学教授のJ・L・ホイットン博士の被験者たちの証言によれば、物理的な肉体を失った魂はあの世に戻ると、3人から7人の指導役の魂から一種の「裁き」を受けるという。具体的には今終えてきたばかりの人生を回顧するのだが、このとき魂は自分自身が記憶した以上のことまで鮮明にフィ-ドバックする。自分がまちがった選択をして幸福を棒にふったことや思いやりを欠いて他人を傷つけてしまったときのこと、命にかかわる危険の間際にあったときのことなどを理解し後悔する。自分の犯した罪が言い訳も理由づけもすべてはぎ取られて生々しく醜い姿をさらけ出すことになる。一種の地獄のような体験をすることになる。指導役の魂は「エンマ大王」とちがい罪を悔いる魂を非難せず自分自身で反省するよう見守る。そして十分に反省したことを見とどけると指導役の魂たちは一転して暖かいメッセ-ジを送り激励してくれる。ここでは「どれだけ人々を愛したか」「つねに良心的な行動をとったか」ということのみであり、この世で儲けたお金や地位名誉はいっさい評価されない。
★m.あの世にいるあいだに魂は自分自身で次の人生を計画する。この計画は下絵のようなもので実際にこの世に生まれてくると物質界のさまざまな制約や自分でしかけておいた数々の試練がおそってくるため下絵どおりに絵を描くことは難しい。悪い方へ悪い方へと選択肢を選んで自分がしかけた試練に負けてしまいもっとも望ましくないシナリオを選んでしまうこともある。反対に問題に直面したときに「良心的な、愛のある、前向きの解決方法」で対処できたときは成長の階段を一つ上がることができる。つねにそのような対処を心がけていれば人生はどんどん楽しい方向へと進んでいき、自分を助けてくれる暖かい人々が不思議なほど次々にあらわれ充実した人生になっていく。
★n.ホイットン博士は、生まれ変わりのしくみについて「重要なのは今回の人生で私たちがおかれた境遇は決して偶然にもたらされたものではない、ということだ。私たちはこの世においてあの世で自分が選んだことを体現しているのだ。私たち自身が、あの世で肉体を持たない状態の時に決定したことによって今回の人生が決まる。そしてどのような潜在意識(心がけ)で人生を生きていくかによって悪運や良運がめぐってくるのである。たとえ、現状がいかに困難な境遇にあっても、その境遇にわが身をおいたのはほかならぬ自分自身なのだ。人間はそれぞれ『試練や苦難の中にこそ学び成長するための最大の機会がある』ということを理解したうえで、その試練や苦難を探しだしていくのである」とのべている。
★o.人生が修行の場であるとすれば、なぜ幼くして死んでしまう人がいるのだろうか。そういう魂は若くしてこの世を去ることによって、両親や家族の精神的成長を早めるという使命を帯びて生まれてくるのであり、若死にする人生であってもあえてそれを選んで生まれるのだという。
★p.「死後の生命」や「生まれ変わり」の研究によれば障害や病気を持って生まれることや人生の途中で障害や病気を持つことは他の誰のせいでもなく、自分自身で計画した試練であり試験問題ということになります。その試練にうち勝てば「大きな成長」というご褒美が用意されていることになります。先ほどのワイス博士は「重い精神病や肉体的な障害などのように深刻な問題を持つことは進歩のしるしである。こうした重荷を背負うことを選んだ人はたいへん強い魂の持ち主だ。なぜなら、最も大きな成長の機会が与えられるからである。」と述べています。
*.今回は「死後の生命」「生まれ変わり」というちょっと難しいテ-マについて書かれている本をとりあげてみました。病気、障害、別れ、死といった人生の試練に晒されたたくさんの人達が飯田先生の話や本で救われています。不十分な紹介でわかりにくかったと思いますが、ぜひ本屋さんにいったら探してほしい本です。なお近日中に講演テ-プを入手しますので、活字が嫌いな方は細井までお問い合わせ下さい。