20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その36
はじめに
「心」生き方と「人相」について
「体」斉藤和典(カズノリ)氏の「ブリージング・セミナー」(1999.7.24-25および8.29)より
「はじめに」
★ 原子力発電所建設に反対の立場をとっている新潟県巻町の笹口町長が、原発の炉心予定地となっていた町有地743平方メートルを反対派の住人23人に1500万円で売却し、原発の建設がきわめて困難な状況になりました。8月30日に結ばれた不動産売買契約書には「原発反対」の町民の意志を町政に反映させるために売却するという目的を明示し、譲渡、抵当権、賃借権などの処分をしてはならないことになっています(1999.9.3中日新聞朝刊)。計画を進めてきた国や電力会社は大いに困惑しているようですが、推進派の町長であれば反対運動を無視して電力会社に町有地を売却しているはずで、首長の権限行使はお互い様でしょう。それよりも反対派は一人平均65万円の出費を余儀なくされるわけで、そこまでして反対している住民の感情をねじ伏せるような大義名分があるのだろうか、という気がします。これまで原子力発電をめぐる情報の開示にあたっては情報改ざんや事故隠しなど安全性に不透明なことが多く、開発地域の住民に根強い不信感をもたれても致し方のないようなことをしています。じゃあ逼迫する電力需要にどう応えるんだ、という反論が聞こえてきそうですが、名古屋市が藤前干潟を埋め立てようとしたときも他にゴミ処分場候補がない、でした。環境庁の指摘に耳を貸さず埋め立て不許可が現実のものとなってから初めて周辺の市町村を見習って分別ゴミ回収などのゴミ減量に真剣に取り組みだしました。ゴミ処分場候補地は棚上げ状態となり、名古屋市は周辺自治体のゴミ処理に相乗りをお願いするしか方法がありませんでした。そのためには市民をあげてのゴミ減らしをアピールし、周辺自治体住民の理解を求める必要がありました。ゴミは増え続けるもの、新たな処理場が必要と考えているあいだゴミを減らすことはできませんでした。電力問題も同じではないでしょうか。原発はもう造れない、だからこれまでみたいな電力の供給はできなくなった。供給できる電力の範囲でおさまるように利用者のあいだで調整しよう。供給量が増えない以上、大口利用者は他の人が使う分まで使わせていただくことになるのだから割引料金ではなく割増料金の負担を求めることにしよう。それでも供給不足だというのなら発電所建設の同意が得られるよう住民の理解を求めよう。これからはそんな電力開発をすすめていく時代になってほしいと思います。
「心」生き方と「人相」について
★a.YTAメモその4、その2で紹介した㈱中村菌化学研究所より船井幸雄講演会「人の道-本物の生き方」1999.4.2講演録(編集・文責/㈱中村菌化学研究所)を送っていただいた。同社は1991年以来毎年船井幸 雄氏を京都に招いてチャリティ講演会を開催しており、その第9回目の講演録である。
★b.講演タイトルになっている「本物の生き方」をするためには、まずつくこと、すなわち運がよくなるこ とが大事である。運がよくなると心身ともに健康になり、人相もよくなる(p5-6)。
★c.昨年(1998年)は船井総研の創業以来一番苦しい年であった。心の状態は人相に表れる。苦しいときには顔が左右非対称にゆがみ、人相が悪くなる。その頃の船井氏の写真はどの顔もゆがんでいた(p6ー7)。
★d.原因は船井総研が1994年8月に発行したスイスフラン建ての転換社債50,000,000スイスフラン。その償還期限は1998年12月末であったが円安で、当初15億円近い為替差損が見込まれ、銀行の貸し渋りや不動産の担保価値の下落などで転換社債の償還資金がショートする可能性があった。どんなにいい顔をしようと思ってもだめで苦しんでいるときの顔は見事にゆがんでいる(p13.15-16.21)。
★e.1998年10月ごろから円高に戻し、為替差損は6億6千万円でおさまり、私募債の発行や銀行借入がうまくできて償還の見通しがついた同年12月17日以降は左右対称のいい人相に戻った(p17-19.21)。
★f.昨年(1998年)の経験から、会社というのはそこの会社が一年間にあげる粗利益が借入金と等しい時が一番うまくいく。粗利益高より借入金が多い会社は非常に危険である。粗利益高より借入金が少ない会社は健全な経営といえるが、これでは効率的に会社を大きくすることができない(p22)。
★g.清水寺の森清範貫主によれば、清少納言が枕草子のなかで説教の講師は「顔よきをもって第一とする」と書いているが、顔よきという意味は「人相がいい」という意味である(p9)。
★h.永六輔著「芸人」の語録で「レポーターにならないかっていわれたんですけどね、あの仕事はあっという間に顔が下品になるっていわれて」というのがありました。科学的ではないかもしれませんが「心の状態は人相に表れる」というのは納得がいきます。毎日のように顔をつきあわせているとなかなか人の変化に気づきませんが、半年とか一年ぶりとかに顔を合わせると「雰囲気が変わったね」と変化に気づかされたりします。相手の受け止め方もさまざまで、「貫禄がついた(出てきた)」とか「態度がでかくなった」「まるくなった」「角がとれてきた」「肥えた」「締まりがなくなった」「責任感が出てきた」などいろいろな表現をしてくれます。
★i.人相を良くしようと思ったらb.つきをよくすることであり、それには感謝をするとよい(船井氏)そうです。塩谷信男著「宇宙無限力の活用」(東明社)p170によれば、感謝の心がけを持っていると身の周りには感謝することが当然なことが沢山ある。初めはさほどに思わないことでも、感謝の癖がつくと、ああ有難いなと心から感謝するようになる。すると感謝したくなるようなことが起こり勝ちになる。と述べている。
「体」斉藤和典(カズノリ)氏の「ブリージング・セミナー」(1999.7.24-25および8.29)より
★a.7月24(土)25(日)、ヴォルテックス㈲(YTAメモ25で紹介したレイキセミナーを実施している会社です)のブリージング・セミナー(東京)を体験した。その1ヶ月後、セミナーで知り合いとなった古川か津子氏が主催するカズノリ氏の個人セッション(京都:2時間16000円)に参加した。
★b.参加しようとしたきっかけは篠原佳年著「快癒力」(1996.6.20初版:サンマーク出版税込1600円)で、ブリージングをするととても「気分がいい」「気持ちよくて仕方がない。それはいままで味わったことのない至福の世界といってよいもの」という紹介文だった(p194-196)。そんなに気分のよいものなら是非一度体験してみたい、と思っていたところヴォルテックスで5年ぶりにセミナーをするという案内をみてさっそく申し込んだ。
★c.セミナーの案内によればブリージングの過程で解決が必要とされている問題が自然に浮かび上がってきたりする。たとえば自分で未解決のまま心の奥底にしまい込んでいたことがらを急に思い出したりする。そして、そのような気づきや発見をすることによって問題が浄化され癒しがおきてくる。ブリージングで起きる体験はそれまでの人生が違うように一人一人様々で、しかもブリージングの都度違う体験をする。宇宙と一体となる体験をしたり、過去生(前世)を思い出すといった体験をする人もでてくるという。
★d.セミナー初日は受講者からブリージングで気づきや発見を引き出すきっかけとなるような講義やカウンセリング、グループによる話し合い等が行われた。また、自分の内面を吐露するうえで障害となっているこだわりやとらわれ、プライド、羞恥心など自分の自由な表現を制約している「たが」をはずすための時間も設けられ、二日目のお昼ごろ待望のブリージングが行われた。
★e.ブリージングは、目を閉じて仰向けに横たわり深くて早い呼吸を30分とか1時間という長時間にわたり行うものである。深呼吸はふつうの状態では5分続けるのがせいぜいで、10分とできない。それを無理にでも吸って吐く。ヨガや合氣道の呼吸法などでは「ゆっくり静かに吐ききる」といった吐き方をコントロールするがブリージングでは自然にまかせ、ひたすら吸うことに意識を集中させる。トレーナーのアシスタントが「もっと大きく口を開けて」と耳元で声をかけてくる。たとえて言えば水泳の息継ぎを早く何度も繰り返すようなものである。吸い続けるのが苦しいのでふつうの呼吸に戻そうと思うところへタイミングよく「もっと吸って、やめないで」と声をかけてくる。横たわって呼吸をしているだけなのに汗びっしょりになり、手や足がこわばったりしびれたりしてくる。ある人は、親指、小指、薬指、中指、人差し指の順でこわばっていったという。こむら返りのようなけいれん状態ではないから痛いわけではない。手や足がしびれて力が入らない、というのとも違う感触で指先がいつもより鋭敏になった、というような感覚であった。ブリージングが終了してもすぐには動けず、変温動物の爬虫類が太陽が昇って気温が上昇するまで動けないのと同じだなと思ったりした。ゆっくりとしか動けないのにその感触を楽しんでおり、至福とまでは思わなかったが非常に気持ちのよい体験であった。
★f.一方でブリージングは吸い続ける苦しさをあえて行うものであるため心臓などに負担がかかる。また、精神的なストレスがドン、とでる可能性もある。このため妊娠中の方、心臓に疾患のある方、てんかん症状のある方、精神科で治療中の方、高血圧の方は参加できない。ブリージングのやり方がわかったからといって一人でするのは非常に危険で、そばにきちんと専門家についてもらう必要がある(8月の個人セッションの時、カズノリ氏はもし万が一事故が起きたら手が後ろへ回ると覚悟してやっていると話してくれた)。
★g.ブリージングでcで書かれたようなことが浮かび出てきた人もいたが、私のブリージング体験は目を閉じていたのに光り輝いた映像が見え、その中央に四角いものが黒く映り、思わず「何だ、これは」と叫んでいた。ブリージング中はそれ以上なにも起こらなかったが、翌朝東京を6時発ののぞみ1号で名古屋へ向かったとき歯茎の異常に気がついた。車内販売で飲み物とサンドイッチを買い一口頬ばったとたん奥歯が痛んだ。干しだこ(スルメよりもう一つ固い)を囓りすぎたときと同じ痛みで、自分では気づかなかったがブリージングの時きっと歯を食いしばっていたのだろうと納得をした。
★h.この話を個人セッションのときカズノリ氏にしたら、ブリージングで歯を食いしばるようなことはあり得ない、という回答で、たぶんあなたの歯の痛みは歯ぎしりのせいだろう、そしてその歯ぎしりはブリージングのときには浮かび上がってこなかった何かの怒りが睡眠という無意識の状態の時に遅れて出てきたのだろう、という指摘をされた。日頃歯ぎしりをする人は歯茎もきたえられているのでめったに痛まないが、そうでない普通の人だから痛めたのだろう、とのことでした。
★i.その日はセミナー終了後ビールをしっかり飲んで熟睡したため、寝ているあいだにどんな怒りが浮かび上がってきたのかさっぱりわかりませんが、確かに感情を押さえ込んでいるとすれば「何かの怒り」なのかもしれません。個人セッションを受けた時カズノリ氏は最初私からファイティングエネルギーを感じたそうです。途中違うエネルギーに代わっていったそうですが、何に対してのファイティングエネルギーなのか、そこに解決すべき問題の一つがあるとの指摘をいただきました。また、私の人に対する接し方は、相手から自分がこう接してほしいという願望の裏返しですよ、と教えていただきました。これらは今後の私の課題となりました。
★j.なお、カズノリ氏はセミナーをしているときほとんどずっと左手に独鈷を持っていました。独鈷には氣などのエネルギーを集めたり放出したりする力があり(YTAメモ35)、参加者の意識を引き出しコントロールするのに活用していたように思います。
★k.ブリージングの補足説明資料として北川隆三郎著「精神世界がわかる事典」(1998.4.25初版:日本実業出版社1500円+税)を同封します。