20世紀を生き抜くための「心」・「技」・「体」その18

はじめに

★ 現職市議の死去に伴う名古屋市天白区の市議補選(1月12日投票)で共産党の新人が当選しました。
天白区は自民党が一貫して議席を維持し、共産党の空白区だったところで自民党公認、夫の弔い合戦とし て立候補した夫人と前県議が無所属で出馬するという分裂選挙だったとはいえ得票の43.5%を獲得する共産党の完勝だったそうです。勝因は昨年12月25日の名古屋地裁判決。1989年に開催された世界デザイン博覧会の施設・備品を名古屋市がデ博協会から購入したのは「赤字隠しのために、無価値で必要のない物件を購入、市に損害を与えた」として、市民オンブズマングル-プが西尾市長らを相手取り、約10億3600万円の損害賠償を名古屋市に支払うよう求めていた住民訴訟の判決で原告の主張が全面的に認められた、というもの。訴訟資料からスタンド式の灰皿1個が平均4万円だったことを割り出し、「灰皿4万円 」のビラを全戸配布、被選挙数1の選挙で共産党公認の候補者が初めて勝ったそうです。

新聞報道に「灰皿4万円」などという記述はなく、市民オンブズマンと共産党はグルなんだという見方も できますが、90年6月、オンブズマンからの監査請求に対して名古屋市監査委員は「公費の乱用は認めら れなかった」として請求を棄却しており、こっちのグルは税金の使い方の不正行為、脱税と脱税幇助同様犯 罪行為(公金横領)ではないでしょうか。ちなみにこの補欠選挙の投票率は21.75%と低調でした。身 勝手な税金の使われ方をしても文句も言わず、自らの権利(選挙権)行使をしようとしない人が多いようですが、そのような人たちに税負担の不平不満を言う資格があるのでしょうか。財部誠一著「官制破産」(徳間書店:1996.12.31初版)p144で“選挙に行かないということは、政治に何も期待していない、言い換えれば‘文句はあっても、政治が何もしなくしなくてもそこそこ幸せ’という人が選挙を棄権する。投票に行くより、ごろ寝してテレビでも見ていたほうがいい、選挙に行く手間よりごろ寝のほうが幸せ
なのだから「そこそこ幸せ」と考えられる。また、選挙は「ベストよりもスモールベター」提示されている選択の中からもっともましな人を選ぶ作業であり、「真の政治家がいないから投票しない」というなら自ら真の政治家として立候補すればよい。日本全体でみれば少数派の農家に政治力があるのは政治に参加しているからで、米の値段が高くなっても、それは政治に参加しないサラリーマンの問題であって、投票してくれる圧力団体に政治家が配意するのは当然。」としています。あなたは「そこそこ幸せ」派の方ですか?

「技」準備金、引当金を考える。

★a.前回特殊法人が子会社をつくり官僚が天下りをしているという指摘を紹介しましたが、前出財部誠一著「官制破産」p24によれば特殊法人は国が必要とされる事業を効率よく行うために設立されたもので、営利目的ではないため収支トントンが理想であるという。例えば前回とりあげた特殊法人「住宅都市整備公団(以下、住都公団と略す)」の平成6年度決算は国から1400億円の補助金をもらいながら3億円の赤字決算になっているという。

★b.しかし、住都公団の決算書を見ると民間企業では考えられないような引当金や準備金が計上され、利益隠しをしているという指摘や、直系の子会社へ事実上の利益移転をしているのではないかという疑惑がもたれているという(p29)。

★c.財部氏の知り合いの公認会計士によれば「国際的な会計の常識からは考えられない不合理な引当金、準備金が多く住都公団の決算書は粉飾決算としかいいようがない」という。例えば住都公団は家賃の10%の固定資産税、家賃の15%の修繕費を徴収しているがいずれも実費よりも多く徴収されており、その蓄積が「公租公課準備金約802億円」「特別修繕引当金約682億円」になっているという。また、民間企業では使用人の退職金要支給額の4割までしか損金経理できないのに、住都公団は課税対象外のため職員だけでなく全役員も含めた退職金要支給額の10割、約737億円を「退職給与引当金」として積み立てている。

★d.特に不合理なのは「公団分譲住宅の販売収入の中から積み立てている分譲価格調整準備金3,555億円」で住都公団の説明によれば「都心部など、どうしても高額になってしまう公団住宅の分譲価格を安くおさえるために準備しているお金」だという。将来、採算割れの住宅供給をすることになるかもしれないからという理由でこれまでに3,555億円の利益をなかったことにしているわけで、粉飾決算と言われてもしかたのないような会計処理である。

★e.しかし、住都公団によれば、会計処理はすべて建設省令で定められた経理基準に基づいており、合法的なものであるという。つまり、民間企業では認められない会計ルールを適用して住都公団は儲けていないようにしているのである。いちおう建て前はあるかもしれないが、建設官僚が自分の天下り先の資金を潤沢にするための会計上のトリックを省令で定めて合法化しているのである。

★f.法人税法は退職給与引当金を要支給額の4割しか損金経理を認めていない。これに対し松下電器産業では退職金分を基本給に含める「全額給与制度」を来年4月の新入社員から実施することとし、本人の希望により従来の給与制度と選択できることとする方針を明らかにした(平成9年1月11日・中日新聞)。

★g.給料の上乗せよりも退職金としてまとめてもらった方が税金の負担は少ない、というのは税理士的な見方であるが会社が払えるうちに退職金ももらってしまおうという割り切ったとらえ方をする新入社員も今後増えてくるのではないだろうか。

★h.企業にとっては退職金相当額を全額損金経理できることになり、その分所得も減るから税金の負担も少なくてすみ、将来負担しなければならない退職金も減ることになります。困るのは退職給与引当金の損金割合を引き下げてきた税務当局(国)の方で「全額給与制度」を採用する企業が増えてくると税収が落ち込むことになります。

i.年俸制の導入を検討している企業が増えてきていますが、それとあわせて退職金制度の見直しをする企業が増えてくるのではないでしょうか。

「体」中根滋著「蘇生力~水と波動がいのちを癒す」(ビジネス社:1996年11月25日初版)より

★a.昨年「O-157」という大腸菌が各地で食中毒を起こした。すると「手をきれいに洗いなさい」とか「よく熱を通して食べなさい」という対策が指導された。

★b.ここで注目しなければいけないのは、食中毒にかかった子供ではなく、同じものを食べても平気だった子供がいたことである。中毒を起こさなかった子供は菌が口から入らなかったのか。そうではないでしょう。食べたけれども抵抗力があって中毒を起こさなかったとも考えられる。

★c.抵抗力(自然治癒力)が低下した子供が中毒を起こした、という見方もできる。そういうひ弱な子供たちが、いつも手を洗って、火のしっかり通ったものばかり食べていたらますます抵抗力がなくなってしまうのではないか。(p145-146)

★d.約400年前、ヨ-ロッパでペストが流行し、大勢の人が死んでいった。病気になるのを免れた人もいたが、かかったのに「ホメオパシ-」という治療で治った人も大勢いた。

★e.その方法は、ペストにかかった人間の糞をもってきて、ラクト-ス(乳糖)で溶いていく。それを10倍、そのまた10倍というように薄めていって、10のマイナス8乗、すなわち1億倍くらいに薄めたものを患者に飲ませる。そうするとケロッと治ってしまう。

★f.これとよく似た発想で成功したのがジェンナ-の種痘で、彼は天然痘の病原菌を弱めて人間に植えつけた。そうすると天然痘にかからなくなった。ところがインドでは天然痘にかかった牛の乳を人間に飲ませることで、この病気の厄災を免れることができるという民間療法があったという。

★g.このような療法は波動概念をもってくると説明しやすい。1億倍とか2億倍に薄めてしまったら、もはや物質の痕跡さえ残らず生命体に直接影響を与えることは考えられない。にもかかわらず治るのは、水にその物質の波動が刻まれ、その波動が患者の出す悪い波動を良い波動に変えたと考えることができる。病原菌をやっつけることで治療する、という西洋医学的な解釈では説明できない(p50-51)。